消費税の複数税率開始まであと半月

あと半月足らずになりました

消費税(消費税及び地方消費税)の税率が8%の単一税率から標準税率(10%)と軽減税率(8%)の複数税率に改定される令和元年10月1日まであと半月を切りました。

 

国税庁や商工会議所、商工会などからいろいろな情報が提供されていますが、わかったようでよくわからないというのが正直なところではないでしょうか。

 

そこで今回は、消費税の課税事業者として知っておくべき、最低限かつ最重要なところをお伝えします。

 

そもそも消費税の計算は

そもそも消費税とはどのように計算して、申告して、納税するのでしょうか。

大雑把にはつぎの算式で説明することができます。

 

受け取った消費税-支払った消費税=税務署に納める消費税

 

消費税の申告はこのような差引き計算で行います。

したがって一つの計算期間において、受け取った消費税と支払った消費税を正しく計算しなければ、消費税を正しく申告することができません。

 

そして今までは、3%にせよ、5%にせよ、8%にせよ、税率は一つでした。だからその取引に消費税がかかるのか(課税)、かからないのか(非課税など)にさえ気を付けていれば、正しい申告が可能だったといえます。

 

しかし、令和元年10月1日以降は、消費税の税率が10%と8%の二つになります。

そこで、ひとつひとつの取引に消費税がかかるのかかからないのかに加えて、消費税がかかるとすればそれが標準税率(10%)なのか軽減税率(8%)なのかも記録しておかなければ、消費税の正しい申告ができないことになりました。

受け取った消費税

まずは受け取った消費税、つまり売り上げにかかる消費税を10%と8%に区分して記録しなければなりません。

 

具体的には請求書に、

①自分の名称

②取引年月日

③取引内容

④取引金額

⑤相手の名称

という今までの記載事項に加えて

 

⑥軽減税率(8%)の商品があれば、どれがそれか

⑦10%、8%の税率ごとに区分した税込み代金の合計額

を記載する必要があります。

 

なお、税率ごとに請求書を分けて作るという方法によることもできます。

 

そして、この請求書の控え、そしてレジペーパーなどをもとに、売り上げを標準税率(10%)のものと軽減税率(8%)のもの、さらに消費税がかからないもの(非課税など)に区分して総勘定元帳に記帳することになります。

 

支払った消費税

支払った消費税、つまり仕入れや経費にかかった消費税の区分記録は、受け取った消費税の裏返しになります。

 

まず、軽減税率(8%)の商品と10%、8%の税率ごとに区分した税込み代金の合計額が記載された請求書やレシートを保存します。

 

そしてこれらの請求書やレシートなどをもとに、総勘定元帳に標準税率(10%)のものと軽減税率(8%)のもの、さらに消費税がかからないもの(非課税・免税)に区分して、仕入れや経費を記帳することになります。

 

なお、消費税計算の

受け取った消費税-支払った消費税=税務署に納める消費税

という算式の「-支払った消費税」(控除対象仕入税額といいます)については、実際に支払った消費税を計算することに代えて、受け取った消費税に事業の種類ごとに定められた割合(たとえば小売業なら80%)を掛けて計算する方法も、所定の要件のもと、事前に届け出ることによって認められています。

 

これが簡易課税方式です。 

 

 

軽減税率対象商品(8%)

軽減税率(8%)の対象となる商品は、まず、飲食料品です。

ここにいう、飲食料品は食品表示法に規定する食品ということですが、まず、常識で口に入れる食料品や調味料と考えれば良いでしょう。米やコーヒー豆など、口に入れるのに調理が必要なものを含みます。

 

なお、贈答用などで送料、箱代などが別途請求される場合には、それらの代金は標準税率(10%)の消費税がかかります。

 

そして、この飲食料品からは酒類が除外されています。酒類とは酒税がかかるものと考えれば良いです。酒類は標準税率(10%)です。

 

また、食堂などでの飲食代金は、飲食料品の代金とその提供にかかるサービスの代金とが合わせられたものと考えられており、標準税率(10%)となっています。

 

週2回以上発行される新聞の代金で、定期購読契約に基づくものも軽減税率(8%)です。

忘れないようにしましょう。

いつから?

一般的には、令和元年10月1日の納品分から複数税率の対象になります。

 

ただし、通信販売や建設業の請負契約、雑誌の定期購読、リース取引などには特例があります。

 

区分することが不可欠

消費税の複数税率がはじまるにあたって、何が重要かといえば、やはり正しく消費税を受け取ること、支払うこと、申告納税することです。

 

そのためにはどうしても、標準税率(10%)対象商品・取引と軽減税率(8%)対象対象商品の取引を区分して記録しなければなりません。

 

大変でも面倒でもどうしても区分しなければなりません。

 

(実は、区分が困難な中小事業者向けに区分しない特例もあるにはありますが、税額的には不利になるかもしれません。)

 

いくつかある国税庁のチラシでは、以下が一番わかりやすいと思いますので、あわせてご覧ください。

http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf

 

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おことわり

税法・税務に関する記載内容、ブログについては税理士として細心の注意を払っています。

しかし、読みやすさに配慮する結果、細かい例外や特例規定などに記載が及ばないことがあります。

このウェブサイトに記載された事項に基づいて取引、申告等される場合には、この点をご理解のうえ、必要に応じて関与税理士、所轄税務署等にご相談されることをおすすめします。